黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



「結奈……おまえ誰かに喧嘩教わったのか?」

「えっ?」

「素人のハズの結奈が、あそこまでできるハズない。ましてや桜山総長のあいつに」


純は真剣に聞いてくる。


あたし……夢で教わったかんじだよね?

でも、あのあたしは小さかった。


過去に……


「──ッ!!」

「……結奈っ!?」


急にあたしの頭に殴られたような痛みが走った。

隣にいた純が支えてくれて、あたしはなんとかソファーから落ちずにすんだ。