もう流星は呆れたように、あたしにアイコンタクトで指示した。
「あたしは下っぱくんに送ってもらって……でも家帰りたくなかったからぶらぶら散歩してて……
コンビニで買い物して出てきたらバイクのエンジン音が近づいて来てたの。
もう真後ろに来てて……
『Black cat……結構手強かったよ〜』って高峰亜蘭が言うからびっくりしちゃったよ……。そしたらあたしに『結奈ちゃん、行こっか』って言ってハンカチについた薬嗅がさせられて……気が付いたら倉庫にいた」
「なるほどっ」
流星は全てがわかったように、すっきりした顔をしている。
なにをわかったんだ?流星……
「んで?」
いつの間にか睨み合いが終わった純が聞いてくる。
ちょっとは聞く気あんじゃん……
「柱に縛りつけられたけど、なんかすぐ解けて……玲奈が意識なくしてぐったりしてるの見たらなんかイライラしちゃって……。
純と高峰亜蘭と2人で言い合ってんの聞いてたら『復讐』とか言って殴り始めたからあたしに関係ない人を殴ってる高峰亜蘭にムカついた……。
そしたら勝手に体が動いてたの。あたしの体は誰かに教えられたみたいに、高峰亜蘭をおもいっきり殴ってた」
「結奈……すごっ」
玲奈は目を見開いている。
あの夢を見てなかったら……
あたしは今頃大変なことになってただろう……

