黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】



そこにいたのはやはり……


「……高峰亜蘭」

「あ、覚えててくれたんだ〜」


高峰亜蘭はにこにこ。


「Black cat……結構手強かったよ〜」

「……?」


手強かった?


「結奈ちゃん、行こっか」

「は?」

「行かないとダメなんだよ」

「──ッ…」


あたしは口にハンカチを当てられ、そのまま意識を失った。