謝罪人 Kyouko スピンオフ小説

「そういう方々のお役に立つのが謝罪人の仕事です」

「えっ！　そんな仕事があるの？　」
拓也は、一瞬興味を示した。
　
「ええ、あなたが皆さんの前で、一言謝っていただくだけで、すべて解決するんです」

「すべて解決する？　まさか！？　」
拓也は、木村の言葉が信用できなかった。

「いえ、本当です。一言謝れば、その後はなにも咎めることもなく、無事うまくいきます」
木村は自信たっぷりに言った。

「悪いけど、やっぱりいいよ」
拓也は、木村の誘いを断った。

「そうですか・・・・・・」
木村は、残念そうな表情をした。

「もしも、考え直すことがありましたら、こちらまで連絡して下さい」
木村は、差し出した名刺の連絡先を言った。
　
「わかったよ」
拓也は、名刺をズボンの前ポケットを入れ込んだ。