謝罪人 Kyouko スピンオフ小説

「しかし、それでも、解雇することはなかったんじゃないんですか？　」
拓也が反論する。

「もちろん、緑山君には他の部へ異動してもらうつもりでしたが、彼女は納得してもらえませんでした・・・・・・もっとも、辞めてもらうための異動であったことは認めますが」

「どうしても駄目ですか？　」
拓也は頼むように言う。

「会社の存続のためです。申し訳ありませんが、あなたのお話を受けいれることはできません。お引き取り下さい」

専務の話しには説得力があった。
会社を守ることに信念を持って行動しているのを感じた。
そのため拓也は、それ以上の話しは出来なかった。