謝罪人 Kyouko スピンオフ小説

「ねえ、リカちゃんはテレビで記者会見を見ていたの? 」
拓也は、不安そうに尋ねた。

「テレビ中継は見ていましたよ」
リカは、平然な顔であっさり答えた。

「・・・・・・」
拓也は、バレていると心の中で確信した。

しかし、リカは、そしらぬ顔で表情も変えなかった。

「拓也さん、どうかしたんですか? 額から汗かいてますよ」
動揺をかくしきれない拓也の表情を見て、リカが気にかけた。


「それで・・・・・・テレビで謝罪人の顔なんか見たの・・・・・・? 」

「いいえ」

「えっ・・・・・・!? 」

「テレビは、ずっと社長しか映っていなかったから、はっきり見てないけど」

「そう・・・・・・」

拓也は、リカがテレビで自分の存在がわからなかったことにひと安心した。
すると、冷や汗もスーッとひいた。