謝罪人 Kyouko スピンオフ小説

「でも・・・・・・正直、会社に騙されたって感じです」
「だ、騙された・・・・・・！？　」
急にリカが真顔で言ったことに、拓也が反応した。

「実際はそんなに業績は落ち込んでなくて、解雇する必要はないってわかったんです」

「それって、どういうこと？　」
　
「謝罪会見をするまでは、確かに業績は落ち込んでいたんですが、不思議と謝罪会見後にマスコミの騒ぎも治まって、業績の悪化も止まりました。業績も思ったより落ちこまなかったんです。会社の同僚に聞いたんですが謝罪人のおかげだと言っていました」

「えっ！ 」
リカの言葉に拓也は、動揺した。

リカには金融関係の仕事をしていると説明していた。

ひょっとすると、リカは自分が謝罪人の仕事をしているのを知っていて、わざと、そんな話しをしたんじゃないかと思いはじめた。
知っていたなら、何か企みがあるのかと疑いはじめた。