謝罪人 Kyouko スピンオフ小説

依頼の内容は、今ニュースで話題になっている食品偽装の会社からだった。
依頼料は五百万円と書いてある。

「私は正直なところ、まだあなたがやる仕事としては、早すぎると思っていたんですが・・・・・・」
木村は、冷静に拓也の顔を見て言った。

「やるに決まっているじゃないですか。依頼料の五百万円は魅力だし・・・・・・よし、かならず成功させてやる!」
拓也は自分に言い聞かせるように言う。

「では明日、先方先で記者会見があります。その席で謝罪の仕事をして下さい。失敗できないので、よろしくお願いします」
木村は念を押すように強く言った。

「はい!」
拓也は、気を引き締めるように大きな声で返事をした。