ビター・ビター・チョコレート

「あんた、慧人君との思い出、全部捨てちゃう気?」



「うん。もう、見るのも嫌なの」



「そう。じゃあ、ダンボールにまとめておきなさい。お母さんが捨てておいてあげる」





哀しみには限りがある。



きっと、これだけ悲しんだら、もうこれ以上は悲しまなくてもいいよね?ってくらい。



私は悲しんだ。





だから、もうおしまいにしよう。




気持ちに区切りにつけて、莉玖に会いに行こう。






莉玖は、きっと私に嫌われたと思っている。



合わす顔が無いと……。






自分の部屋に戻って、携帯電話で莉玖に電話をかけた。




少し、緊張する。




呼び出し音が鳴り、しばらくすると留守電に切り替わってしまう。





莉玖は、電話に出てくれなかった――――。