「ええっと、すみません。私は、別に付き合っているワケではなく、お試しで一晩セックスしただけです」



やっぱり福島由果だった。



法学部の才女は、きちんとした服装で今日も綺麗だ。




「それが、私をバカにしてるって言ってるの!何よ、頭いいからって上から目線で言わないでよ!!」




「すみません。私は、人と話をするのが苦手で、どうしても話しが長くなってしまうといいますか、簡潔に話をするのが苦手なんです」




「うるさいのよ!私は慧人に言ってるの。とにかく、別の女と寝るなんて止めてよ!」




慧人は、メンドクサそうに女の子を見ていた。




「じゃあ、全員リセットで」




「何よ、それ!あなたねえ、イケメンだからって、そんなの許されるワケないでしょう?私は別れないわよ?!」




「あのぅ……あなたはお試しって言われてもお付き合いをしているのですよね?なら、どうして彼を信じようとしないのですか?」



由果の言葉にドキッとした。




「好きだという気持ちがあればいいでしょう。私は彼に彼女がいるのを知っていてお試しされました。だから、一晩だけだし、それで納得してセックスしましたが、それで彼が私に切り替えるなんて考えもしませんでした。それでも私は石川くんの事が好きです。好きなら、それでいいのではないでしょうか?」