私は、処女のように。




初めての行為に、恥ずかしさと快感で体が震える。




静かな部屋で二人の息遣いだけが聞こえた。






「莉玖……」



私は莉玖の名前を呼ぶ。



莉玖は、ずっと黙ったままだった。




でも、激しい感情は私の中に注がれていく。





「好きよ……」



私の気持ちは届いたのだろうか。



本当は、「好き」とか「愛してる」とか、そんな安っぽい言葉にはしたくなかったけど。




心で思うだけじゃ伝わらない事もある。




私と、慧人だって、そうだったのかもしれない。




もっと、お互いの愛を確認し合っていたら、心がすれ違いを起こす事もなかったのかもしれない。