お姫様抱っこされて、ベッドに運ばれる。




「目、閉じて」



言われるがままに、瞳を閉じる。



「え?……」



紐のようなもので、目隠しをされた。




「無理に忘れなくていいから。慧人の変わりになるのなら、それでいいから」




「莉玖……」




「だから、そのまま感じて」





莉玖の指も手も、すごく優しくて。




私はピアノになった気分になった。




火照った肌を、ピアノを弾くように莉玖の指が這う。




今までに感じた事がないくらい。






ぐっしょりとシーツを濡らした。