ビター・ビター・チョコレート

「食事をしたら出ようか」



「うん……」



ここじゃ、サスガに話しづらい。



周りにはボーイや店員さんがいっぱいて、聞き耳を立てていそう。





「ねえ、今夜だけカッコつけさせてくんない?」



莉玖が連れてきてくれたのは、都内の高級なホテルだ。



しかも、高層の部屋で夜景が星空のように綺麗だった。




「莉玖……、この前は、ごめんね」



「謝らなくてもいいよ。俺も、懐狭いって卓真に叱られた」



テヘヘと子供のように莉玖が笑う。



「いや、あんなの、普通怒るって」



ううん、と莉玖が首を振る。



「美琴の事を考えないで先走った俺が悪いんだって」




「莉玖って優しいんだね」



私は、泣きながら笑った。



「そんな事ないよ!俺、本当は、暗いし女々しいし、卑屈だし度量ないし、そんなに優しくないからね」