雲が流れて、空気が湿っぽくなる。 さっきまでの心地よい風に変わって 生ぬるく湿った風が吹き始めた。 今日は雨が降るかもしれない。 そう思ったのと同時に授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。 「授業、終わったみたいだね。戻ろっか」 「そうだね」 アタシは虚ろな目を開いて腰を上げた。 もう一度、現実を見るために。