アタシはゆっくりと目を閉じて 咲人の肩にもたれかかった。 聞こえるのは咲人の呼吸と、風の音。 それと『あたし』の声。 『柊君!』 『こんなの嫌だよ……美羽さんと別れてほしいのに…』 『……ひっく…ぅ……っく…… ひ……らぎ……く…んっ……』 『2番目なんて……やだよぉ…』 泣き続ける『あたし』の声を聞いても アタシは気付かないふり。