私の小さな物語






「奏」





そこに愛しい彼の声が重なった。






「どうしたの、咲人?授業始まるよ」






「うん。でもそれは奏も同じでしょ?」






咲人は優しく微笑む。





同時に言いようのない痛みが体中を駆け抜ける。






「奏にちょっと話があるんだ。



午後の授業、サボらない?」






そう言って悪戯に笑う。






その顔はとても楽しそうで、


深刻な話をしたいようには見えない。