「どういうこと…?」



「実はカフェの窓ガラスに飾ってあったケーキのポスターを…見てたんだ…」



彼の躯から【照】という言葉がいくつも飛び出てきても可笑しくないほどの照れっぷりであった。


そして私はその言葉を聞いた瞬間、一気に肩の力が抜けてしまった。




「ポスターァ?」



私はむやみに語尾を上げてしまった。


彼はコクンと頷いた。




「それで…食べたい衝動に負けて、誉ちゃんに聞こうとしたら」


「私が帰った…と」


「うん…呆れられて帰っちゃったんだと思ったら凄く申し訳なくなった。それから自分が情けなかったよ…」



「なんじゃそりゃ………」




私の脚の力は一気に無くなり、ガクリと膝が折れ、そのまま地面にへたれ込んだのだった…―――――――――――――――――…………。