優しい声




目が覚めた時、健吾に抱きしめられたままの身体はどこか痛くて。

夕べ激しく愛された記憶に恥ずかしくなってしまう…。
長い間健吾の肌の温かさから離れていた寂しさを実感して、自分じゃないみたいに喘いで乱れてしまった。

健吾にとっても長かった寂しい時間…我慢してた分をぶつけるような愛し方を初めて感じて…予想外に幸せだった。
離れてた間我慢してたってわかる…。

眠る健吾の身体に寄り添って、そっと息を吐く。

「愛してる」

ようやく始まった三人の
『野崎家』としての日々。

辛くて悲しみだらけの過去を振り返りながらも、この幸せがいつまでも続くと思わずにはいられない。

母は無敵。

健吾に愛されてる私には怖いものなんてない。

さあ、新しい毎日を楽しんで生きていこう。

ふふっと笑った途端に聞こえてくるモニターからの泣き声。

桜が呼んでる。

泣き声に目が覚めた健吾と目が合った。

そっと交わす笑顔にとろけてしまいそうになりながら…なんていい朝なんだろうって思わずにはいられない。

幸せはいつまでも続く。



fin