「……」
純の家は 本当に豪邸だった。
洋館のような佇まいに
私は唖然としてしまった
「…お城だ」
「ほんまに。いつ見てもでかいわ」
建斗は門の前まで歩くと そうする事が当然のように、身なりを整えていた
「変な格好じゃ、入れてくれんからな。まあ この頭じゃどっち道無理かも」
苦笑いしながら明るく染まった髪の毛を持ち上げてみせる建斗。
純とは中学からの友達だっていうのに
そんな馬鹿な事がありえるのだろうか
世間体を気にする両親とは聞いたが
そこまで厳重にしているのか
私もカッターシャツのボタンを全て締め、いつも捲し上げているスカートを長めに下ろした。
そんな様子を一瞥してから 建斗が決心したようにインターホンを押す。
はい という素早い応答に
建斗が名を告げる。
応じた人は 少々お待ち下さい とインターホンを切った。
「…今の前からおるお手伝いさんやわ」
暫くインターホンを見つめた後、建斗はがっくりと俯く
その様子じゃ
中に入れてもらえなさそうだ
そう思っていたが

