三月



私は純がいない毎日を穏やかに過ごしていた。


建斗やさくら 優也に支えられ
私の体も徐々に元に戻ってきた。


皆でご飯を食べるのが
こんなに楽しかったなんてずっと忘れてたよ。





「明日、始業式やな。また皆同じクラスやったらいいのに…」


アイスティーをストローでかき混ぜながら 建斗が言った。



「うんうん、最後のクラスだもんね 皆一緒になりたいよ」


建斗に激しく同意するさくら

その正面で優也がぽつりと呟いた。



「……純は…どうなるんだろうな」


「…先生が言うには 三年には上がれるけど、これ以上休んだら厳しいって…。ほんまあいつ、昔から行き当たりばったりで俺の方がヒヤヒヤするわぁ」


そう言って笑う建斗に
私は何度も頷いた。


「しかも自分の手の内明かさない上に、人に心配ばっかりかけてさっ」


「そうそう、ほんまあいつは世話やけるで!」



そうして純の話に花を咲かせていると すっかり日が暮れてしまった。


帰りは 遅くなったからと建斗が家まで送ってくれた。





私 もう笑って純の話出来るよ。


彼女に戻りたいなんて言わないから

元気な姿を見せてよ……