青空にふわりと舞う、白い煙
その中で壁に凭れてしゃがみ込む二人。
「あらら、見つかっちゃった」
そう言いながらも全然動じていない様子の坂上建斗
その隣で 青島純がゆっくりと顔を上げた。
「あ、いちごオレの」
私を見上げながら
眩しそうに目を細める。
ドキっとした。
なんでだろう
この人に見られると、私の心臓が 急に暴れ出す…。
「さっき喋ってたいちごオレって、山瀬さんの事やったんや」
そう言ってから、坂上建斗は地面で煙草を消して立ち上がる。
さっき喋ってたって…
青島純が私の事を?
そう聞いて、少し嬉しくなった。
だけど、花弁の事は言っていないところを見ると
やはり私だと覚えていなかったようだ。
「二人とも同じクラスやんな。俺の名前分かる?」
「坂上君だよね。目立つからよく覚えてるよ」
さらりと私の隣でそう言うさくら
坂上建斗は
「目立つってなぁ…」
と頭を掻いた後
「てか、建斗でええよ」
屈託のない、人懐こい笑顔でそう言った。
ピンでサイドに留めた前髪が
女の子みたいで可愛い。

