「純…?」



そっと囁くと
純は握っていた私の手を離してはっきり言った。





「……ごめん」





その声にはもう
決心が固まっていた


心の中では もう駄目なんだ そう思う自分がいるのに



「何で?私…何か悪い事した?」


純は頭を横に振る。



「じゃあ何?何で急にそんな」


「亜紀の事、好きか分からない」



言い終わぬ間に遮った純の言葉は
あまりにも残酷で
私の目からは勝手に涙がこぼれてきた。



「…先生と話あるし、行くわ」


淡々と言い放ち、私には一瞥もくれず
純は教室を出て行く。



残された私はその場で泣き崩れる。





何で?


純、ひどいよ


分からないってどうして?


夏休みは あんなに幸せだったじゃん


そう思ってたのは
私だけだったの?


握られた手は確かに温かかったのに

どうして…?


もう





さよならなの?