―12歳の夏―




『おい、ナツカ!四つ葉のクローバー探そうや!』


『よつばのクローバー?』


『おう!』


『探してどうすんの?』


『四つ葉のクローバーに願いごとしたらその願い叶うんやって』


『ユウヤそんなこと信じてんのー?』


『悪いかよ。でも信じてたらホンマに叶う気するからさ』


『ほんならナツも探す!』




願い事はきっと2人とも同じやった。





2人で一緒にバスケットボール選手になれますように…―――――





でもこのときホンマ必死に探したけど四つ葉のクローバーはなかった。


あたしも悠哉も諦め悪いからホンマ3時間も4時間も何時間も探したけど見つけることできひんかったんよね…。





なぁ、ユウヤ?

10歳のときあんたはそうゆったんやで。




“四つ葉のクローバー見つけたら願いごと叶う”って…。




16歳のあんたは今でもそれを信じてる?



あたしは信じてる。

あたしはずっと小さい頃から悠哉にゆわれたことだけは信じてきたからさ。



悠哉の言葉にいつも嘘はなかった。





だからあたしはいつまでも探し続ける。



四つ葉のクローバーを…。