「んっ?礼なんていらんいらんっ。兎に角、お嬢さんが無事で良かったぜよ」

「…あははー。」


なんかこの人の喋り方も変だなぁ…。


―リリリリ…


鈴虫の鳴き声が聞こえてくる。

暗くて何もかも、あまりよく見えない。

又、月が雲で隠れているのか…。

夜空を見上げてみた。


「それよりお嬢さん。こんな夜半に一人で一体何をしておったんじゃ?」

「え?あ…いや、していたというか何というか…(苦笑)」

「京には浪人がよ~うさんおるからのぅ。はよう家に帰った方がええ。」