ほら、笑って笑って


「彼女も、そのつもりだったみたいだから。」


「彼女?」


「ええ。――私に、主人の浮気を教えてくれた彼女。あの事がきっかけで、色々調べたの。」



――川野先輩の事だ。

隼人さんが言っていた、社長と一騒動あって退職した女性社員。



「彼女ね、"本当に妊娠してるんですか!?"って、突っ掛かってきてね。
何が何だか分からなかった。何故こんな事を聞かれるのか?どうして泣きながら訴えてくるのか?」


「……」


社長は本当に悲しそうな表情で話していて、見ているだけで胸が詰まって苦しくて。

自分の犯した事の重大さを痛感する。



「とにかく落ち着かせて、理由を聞き出したの。あくまでも上司として。でも、やっと真実を聞けた時彼女に言われた。

"いつか社長とは離婚して私と結婚してくれるって、彼はいつも言ってました!"ってね……。」