「いらっしゃい。」 マスターは入り口を向いて声をかける。 心臓がドキンドキンして、一気に緊張感が漂う。 カツカツと、足音がこちらに近づいて来て分かった。 「お待たせ、高原さん。」 社長が来たんだと。 覚悟を決めてゆっくり振り返る。 「――こんにちは。」 とりあえず挨拶をした。 というより、他に何を言えばいいか思いつかなかった。