だけど、社長はにっこり笑って 「元気かしら?」 そう尋ねてきた。 それはきっと、彼女にとって何気ない事。 元社員に対するありふれた挨拶。 でも、そこに怒りや憎しみは感じられない。 「…は、はい。」 答えながら不安になる。 私と常務の事、知っているのか? 心臓がバクバクいって、手が震える。 落ち着け。 私、落ち着いて。 自分から切り出すなんて恐ろしくて出来ない。 だったら今は、店員として仕事しなくちゃ。 「あの、今日は?」 とにかく、なんとかこの場をやり過ごそうと思った。