ほら、笑って笑って


頭が真っ白になる――




何度も何度も角度を変えてキスを繰り返す常務。


それに応える様に、真っすぐに下ろしていた手を常務の背中に回しそうになる。



だけど


不意に浮かんだのは、あの写真。

幸せそうな社長の笑顔と、少し丸くなったお腹。




ああ、やっぱり駄目!!



グッと手に力を入れて、常務の胸をついた。


「…こんなの……やっぱり駄目です!!」



すると、予想以上に驚いた様な常務の顔。


見る見る顔が強張っていく。



「…隼人君…」



え?


常務の視線は私じゃなく、その先、社長室の入口を見つめていた。