コンコン
「失礼します。常務に書類を届けに参りました。」
緊張しながらノックをして声をかけた。
「…どうぞ。」
それは、紛れも無く常務の声。
身体が緊張で強張った。
社長の妊婦姿を見たくないけど、個室で常務と二人きりになるのは……
だから、どうせなら社長に居て欲しかった。
でも常務が返事をしたって事は、社長はいない?
そしてこんな時に限って、いつもいる美人秘書さんの声も聞こえない。
もう、悩んでも仕方ない!!
渡したらどんどん退室しちゃえばいいんだ!!
そうやって自分に気合いを入れて、ドアを開けた。

