翌日、いつも通り出勤した私を隼人さんは何も言わずに抱き締めた

「優衣。俺にできる事があれば何でも言って」


暖かい隼人さんの腕の中は心地よい
あまり眠れない日が続いているから、何だか眠くなってしまう


「隼人さん…ありがとう。なんか…眠くなって来ちゃった」

笑いながら伝えたのに

「そうだね、少し寝て来ようか。」
「え!?」

隼人さんは私を軽々と持ち上げて
仕事部屋を出て寝室に運ぶ

「隼人さん!大丈夫だから、ふざけただけだし」

私を優しくベッドにおろしながら隼人さんは甘く囁く

「ねぇ優衣?こんな状況だから仕方ないのは分かってるけど、優衣は自分の顔色が悪い事とか、明らかに痩せてる事とか、気がついてる?」

「え?私?」

「そう。ご飯ちゃんと食べてる?ちゃんと寝てる?」
「あ…」


お母さんの事があって、あまり眠れない
そう言えば食欲もないけど、お母さんもお父さんも同じ様な状態だから、あまり気にしてなかった

「優衣の守りたいものは何?」

「守りたいもの?」

「優衣は元気でいないとダメだよ。優衣がご両親を支えて守ってあげるんだ。…頑張っている優衣の事は、俺が守るから」


ベッドの上で隼人さんは私の頭を撫でて
優しく唇にキスを落とす


「少し眠って」


撫でられている感覚が心地よい
隼人さんの体温を感じながら
数分で私は眠りに落ちた