「紘夜きっと、おなか空いてるだろうから…。
あ、勝手に朝ご飯に手を加えて、ごめんなさい」


申し訳なさそうに私に言うと、実織様は深々と頭を下げた。


「いえ、構いません。…紘夜様のこと考えて下さり、ありがとございます。実織様」

「え?いえ別に、紘夜のためとか、そんなんじゃ…ただ……」

「ただ…?」



「私、紘夜が話したくない事に触れてしまったから……傷つけて悪かったな、って」


傷……


そうかも知れない。


紘夜様にとって、〝家族〟という言葉は封印したもの。