私が厨房に着くと、 実織様はライ麦パンの上に、 朝食のメニューであったベーコンとスクランブルエッグをのせ、 もう一枚のライ麦パンで挟んでいた。 「実織様?何を……」 「あ、大丈夫、ちゃんと手は洗ったから」 いえ、そういうことではなくー… 「静音さん、冷蔵庫のもの、もらってもいいですか?」 「え?あ、はい。どうぞ…」 訳が分からない…。 私が言葉を失っている間、実織様はテキパキと動く。 桜色のドレスの裾を気にする事なくーー。