ずぶ濡れになりながら、
巧く回らない頭で考えているとーー、


グイッー

「ぃたっ!」

不意に、
思い切り腕を引っ張られ、声をあげてしまい、


カシャ、

携帯を落とす。


振り返るとー、

「おいっ!?」

黒いスーツ姿に黒い眼鏡(グラス)、
黒い手袋姿の、大柄な男達がいつの間にか私を取り囲み、

そのうちの一人が私の腕を掴んでいた。


「お前が殺ったのか!?」

「え?ち、ちがっ……」


反論しようとするけど、言葉が続かない。