くゆる煙、
紘夜の唇から吐き出されると同時に、



「俺に家族はいない。」

え?



「あるのは煩わしい血の繋がりだけだ」


そう、
表情を変える事なく、静かに言った。



「それって、どういう…」


くゆる煙草の煙と、
紘夜の言葉で、
心が落ち着かない。



「俺の詮索はするな。一生帰れなくなるぞ」


そういうと、紘夜は席を立った。