ーーえ? 紅く染まる、 黒いドレスの夕綺さん。 「実織!」 切り裂くような、紘夜の声。 違うよ、 私じゃない。 この紅いのは、 私じゃない。 倒れるその紅い体を、 私は両腕で抱きとめた。 その重みとともに、肩に痛みが走る。 崩れるように、 私と夕綺さんは、硝煙の匂いに包まれた中で、 重なるように倒れた。