なに?これ?

『おい実織?聞いてるのか!?』

ジュン兄の声が、近いはずなのに、
遠く、聴こえる。

『灯りで明かるいったって、それは表だけだからな?』


目の前に、

紅く染まった人が

倒れていた。



「う、そ……」

小さく、小さく、
やっと出た、言葉。


『間違っても、近道とかって裏通り使うんじゃないぞ?』


もう、
遅いよ!ジュン兄!!