何があったかは忘れたが、
何か嫌な事があって、屋敷を彷徨った。


どこか、
だれもいない所に行きたくて。


彷徨ってるうちに、

暗い、地下室にたどり着いた。



そこで、

「うわぁぁーー」


暗い闇を引き裂く様な叫び声が聴こえた、

次の瞬間、
地下室から飛び出してきた、少年と出会った。


それが、


緋刃。



暗殺者として育てられていた
緋刃。


俺が10歳、緋刃が12歳の時だった。


以来、

俺は母さんを失った〝家族〟の目を盗んで、
こっそり緋刃に会いに行った。


緋刃は、物知りで色々な事を教えてくれた。

戦闘術、銃の扱い方、
そのどれもが俺にとっては新鮮で、興味深かった。



〝兄〟や〝姉〟よりも強くなりたいと願っていた俺にとって、
何よりの場所だった。