「そこで、静音。彼女の世話はお前に任せる」

「私に、ですか?」

「あぁ、一週間後までに立派な女に仕上げてくれ」

「今でも十分に魅力的な、綺麗な方だと思いますがー」


先程バスルームで会った時、
雨で濡れてはいたけれど、

長く綺麗な黒髪は、ゆるくカールし、
黒目がちな眼の美しい、
可愛らしい顔立ちの

素敵な方だった。


「あぁ…、まぁ、見た目はまぁまぁかもしれないが、中身がな…。
一週間後までに人前に出せる程度のたしなみは身につけさせてくれ。
パーティーでバルコニーから逃げ出されたりしたら、敵わないからな」


紘夜様のその言葉を聞いて、可笑しくなる。


「ふふっ、まぁまぁだなんて、かなり好みのかたですよね?」

「静音、余計な詮索はいいから、彼女の部屋の準備と支度を頼んだぞ」