† ー紘夜ー † 「静音、実織は?」 広間の奥で、 飲み物を準備する静音を見かけ、俺は呼び止めた。 「紘夜様。実織様でしたら、夕綺様がお連れになるはずですが」 「夕綺が !?」 静音の言葉に、 鼓動が 嫌な音をたてて響いた。 その鼓動を合図に、 俺は駆け出した。 「紘夜様 !?」 呼び止める静音の声にも振り返らず、 走る速度を速めた。 嫌な、 予感がする。