…ーーとまぁ、こんな風に、

紘夜様は、実織様のお宅に連絡し、電話でお話しした実織様のお母様に、
一週間実織様をお預かりする事をお伝えし、承諾を得た。

それはもう、見事な話術で…。



「…これでよし、と」

電話を切ると、紘夜様は、手帖を鞄に戻す。
そして、取り出していた荷物を、それはもう見事に元に戻した。



「紘夜様、実織様をいかがなさるおつもりで?」

「…一週間後の〝本家〟のパーティーに俺の連れとして出てもらう」

「え?〝本家〟のパーティーにですか?」

「あぁ、そうでもしないと、周りがうるさくてな。縁談だの何だの。
まぁ、〝本家〟の連中にとっては、どうでもいい事かもしれないが……」