「やっぱり、怒ってる、よね……」

「あぁ、守ってやれなかった俺自身に腹が立ってる」


紘のその言葉に、
彼女の顔が少し上がる。

紘は、そんな彼女の髪を左手で優しく撫でた。


「ごめんな、怖かったよな。ちゃんと守ってやれなくて、悪かった」

「紘夜は悪くない!悪いのは、あんな凄いキスしたあの男だよ!」


ぶっ、

オレは思わず飲みかけた珈琲を吹き出した。


彼女は、言葉にしてハッとしたのか、
また下を向こうとした、

が、
紘の左腕がそれを阻止する。

強引に彼女の後頭部を掌で抑え、
グイッと、
自分の方へと引き寄せた。

そして、


重ねる。



紘の唇に、彼女の唇をーー。



「ーーん、紘…ぁ」



息継ぎもままならない、

強引な、キス。