「紘夜を助けて下さい!紘夜を、紘夜をっ…」

オレが扉を開けた途端、
紘夜に肩を貸した少女が、まず目に飛び込んできた。


「紘…と、え?」

戸惑いが、思わず声に出る。



少女、
では語弊があるかな?

でも、制服からすると女子高生。

俺や紘、
20半ばも過ぎた男からしたら、まだ幼く見える。



「落ち着け、実織。ここまでくれば大丈夫だ」

肩で荒い息づかいをしつつも、
隣りの女の子を案じる紘。


「でも早く手当てしてもらわないと!」

「あぁ、まあそうだが」


若干、
この女の子に押され気味?


あの、人を拒絶してきた紘が?



それにしても、
血だらけの格好で何が大丈夫なのか、

説得力の無い言葉だなぁ、紘。