† 聞き慣れた乱暴に止められる車のブレーキ音で、 またか、 と思った。 あいつが、 紘(コウ)がオレのところに来る時は、 いつも面倒ごとがある時だけ。 裂傷、骨折、 銃弾を受けた傷… あげればキリがない。 あいつが今も動けているのは、 オレの医者としての腕がいいと褒めてほしいくらいだ。 でも、 扉を開けて その光景に驚き、 いつもと違う、と気付いた。