「…なに、この女…泣くの我慢してんのか?」 掌を少しずらし、 赤髪の男が少し驚いた表情になる。 目に溢れる涙。 血の味がする口。 きっと私の表情は、見れたもんじゃない。 でも、 恥ずかしさより、 何より、 悔しくて、 血だらけの紘夜に守ってもらってばかりの、 何も出来ない自分が、 情けなくて ごめん、 ごめんね、紘夜。 一緒に行こう、 って言ったのに、 私、何も出来なくて、 それどころか、 紘夜を、困らせてるだけーー