「彼女に手を出すな!緋刃!」

紘夜は叫び、
私を掴んでいた赤髪の男に殴り掛かった。


ガッ!

ふいをつかれたのか、
頬を思い切り殴られた赤髪の男がよろめく。


放たれた紘夜の拳から

舞い散る、

紘夜の紅い血。



そんなカラダで、
もう血だらけの、そのカラダで、


どこにそんな力が残っていたのだろう…




「ーーッチ、紘夜、てめぇ…」

口を切ったのか、
赤髪の男は紅い唾を吐き捨て、

頬についた紘夜の血を掌で拭いながら、男は紘夜を睨んだ。