冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


「久しぶりだなコーヤ。まだ一人で真影の罪を消そうと足掻いているのか?」


馬鹿な男だ、と付け加え、
俺の背後から現れた赤髪の男、

緋刃は、俺の足元に倒れる大柄の男を足で蹴り叩いた。


「いつまで寝てる、さっさと起きろ!
コーヤたった一人に手こずってンじゃねぇよ」


うぅっ、と呻きながら大柄の男は立ち上がり、緋刃に頭を下げた。


「すみません、ジンさん…」

大柄の男の言葉が終わる前に、

ガゥン、ガゥンー!

「ぐっ、はっ…」


容赦無く撃ち抜かれる、俺の右足。




紅い血が


きしむ俺の鼓動とともに、流れ出す。