あやうく銃を落としそうになりながらも、 体勢を立て直す。 ーーくっ… 「相変わらずだな、コーヤ。オレを一人で倒せると本気で思ってるのか?」 冷たく、威圧的な口調が俺に近づいて来る。 嫌な気配だ。 馴染み深い、 嫌な気配が、俺を追い詰めた。 「…緋刃(ヒジン)…きさま…」 撃たれた右肩を抑え、 俺は振り返りながら名を呼ぶ。 姿を見るまでもない。 この嫌な空気、 忘れはしない。