† ー紘夜ー † ガシャーンッ! ガタ、ガタンッ!! 路地裏に転がる硝子瓶が割れる音が鳴り響き、 道脇に無造作に重ねられた木箱が、崩れ落ちる。 「きさまっ、真影の人間だな!」 俺に殴りかかりながら、大柄な男は鋭い視線で俺を睨む。 男の拳を左手で受け流し、 俺は右の拳を、相手の腹部目掛けて殴りつけた。 ゴフッ、 鈍い音をたてて、右手に手応えを感じる。 が、男も負けていない。 倒れそうな体勢から、俺に向け鋭い蹴りをくりだした。