甘い煙草の匂いと 闇を溶かすような雨、 それは、紘夜の合図。 裏の仕事をしようとする、合図。 紘夜が、 誰かを殺そうとしているーー!? そう気づき、 走り出す。 待っていると言っていた駐車場に、紘夜の黒い車がない。 イヤな予感がする。 体中に響く鼓動の音に追い立てられるように、 私は走り出した。 あてなんかない。 でも、 ジッと待っているだけなんて、出来なかった。 紘夜、 紘夜、どこ? どこにいるの?