冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


家族という名の繋がりにしがみつくことも、


ただひとりの、友人もー…




全て捨て、
親父の遺志を継ぐと、



決めた。



そのためだけに、俺は存在している。



それだけが、俺の存在理由なんだ。



そう、
そうだ……。

覚悟を決め、



俺は車の灰皿で、





煙草を揉み消した。